小澤征爾が語る~音楽に深みを与える”ドルチェ”とは?
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小澤征爾さんのブラームスの交響曲第2番「田園」
この動画では小澤征爾さんがブラームスのオーケストラの音創りについて情熱的に語っています。
ヨハネス ブラームス 1833年1897年ドイツの曲家。
ブラームスは交響曲だけでなく管弦楽曲、ピアノ、室内楽曲合唱曲、声楽曲など音楽の幅広い分野において多くの作曲を残しました。
バッハとベートーヴェンと並んでドイツの偉大な作曲家「3大B」のひとりです。
ドルチェとは、音楽用語における表現指示のひとつです。
優しく、甘く、繊細などの意味があります。
小澤さんは、このドルチェについて興味深い話をしています。
「ブラームスの音楽にはロマンティックな流れの中に重みがある。その味が出ないと面白くない。」
重厚感はブラームスの特徴です。
ブラームスの音の重みには何が存在しているのでしょうか?
楽譜の中に書き込まれている”ドルチェ”にブラームスの思いが込められていることを発見した小澤さんが嬉々として語ります。
ドルチェはイタリア語で滑らかという意味で使われています。
ブラームスはピアノ(小さく演奏する指示)の時
大事なメリディー(主旋律)にはドルチェを使わない。
しかし、サブメロディ(副戦慄)にドルチェと書いてあります。
副旋律だけど大事に演奏してくれ、ということなんでしょう。
このドルチェは大事なところで、何百と書いてある。
ピアノの中だけにドルチェがあり
モルトドルチェもある。(モルト=とても)
3オクターブで同じ音が鳴る時、全てのパートにモルトドルチェとピアノ
が書いてあります。
ここに思いが入っている。
面白いね〜。
それがパストラールの雰囲気を生むのかな。
ブラームスのドルチェはこのようにしてパストラールに色と味を与えている。
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小澤さんの凄いところは、何度も演奏し研究し尽くしたであろうスコアから新しい発見をするところです。
小澤さん、どれだけ多くのオーケストラで指揮をしたことでしょう・・
常に新しい境地を求め続け、熱くなる。
世界の小澤の天才性はこれなのかな?そう思いました。